フッ化物の利用は、歯質のむし歯抵抗性を高めてむし歯を予防する方法です。錦町では、平成28年(2016年)からフッ化物を用いたむし歯予防に取り組んでおり、現在は、幼児健診だけでなく、町内各園、小中学校と連携しながら実施しています。
フッ化物のむし歯予防の効果
●歯質強化
フッ化物を用いることで、むし歯菌が作る酸に負けない丈夫な歯になります。特に、生えたての歯は、酸に弱くもろい構造ですが、フッ化物が作用することで強い構造になります。
●再石灰化の促進
フッ化物は、むし歯菌が作る酸によって歯から失われたカルシウムやリンを歯に取り戻す働き(再石灰化)を促進します。この作用により、溶けかけた歯の表面を修復します。
●抗菌作用
プラーク(歯垢)の中のむし歯菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。
フッ化物を利用したむし歯予防の方法
歯が生えた後に、歯の表面からフッ化物を作用させていきます。方法としては、(1)フッ化物塗布、(2)フッ化物洗口、(3)フッ化物配合の歯みがきやスプレーの使用があります。
(1) フッ化物塗布
フッ化物塗布は、萌出後の歯の表面に直接フッ化物を塗ることによってむし歯を予防するものです。
錦町では、幼児健診対象の希望者に対し歯科衛生士が健診の際にフッ化物塗布を実施しています。
対象の健診は、親と子の歯の教室(1歳児)、1歳6ヶ月児健康診査、3歳児健康診査で、健診の通知の際にご案内します。
塗布終了後に唾液を吐き出させ、うがいや飲食は30分しないようにします。
(2) フッ化物洗口
フッ化物洗口は、比較的低濃度のフッ化物水溶液をブクブクうがいをすることによって、萌出後の歯に直接フッ化物を作用させる方法です。洗口は下を向かずにまっすぐ前を向いてブクブクうがいをします。
錦町では、町内各園の年中・年長児の希望者、小中学校の児童・生徒の希望者に対し、フッ化物洗口を園や学校で実施しています。園においては、まず、水でブクブクうがいの練習をしてから実施します。
(3) フッ化物配合の歯みがきやスプレー
家庭での取り組みとしてできるのが、フッ化物配合の歯みがき剤やスプレーの使用です。むし歯予防の基本となるのは、毎日の歯みがきです。どんなにフッ化物塗布やフッ化物洗口を行ったとしても、汚れが付着したままでは、むし歯の予防はできません。日頃から、家庭でも、歯みがきの習慣を身につけましょう。