○錦町議会基本条例

平成28年6月13日

条例第18号

目次

前文

第1章 目的(第1条)

第2章 議会活動(第2条)

第3章 議員の使命、政治倫理(第3条・第4条)

第4章 町民と議会の関係(第5条)

第5章 町長と議会の関係(第6条~第9条)

第6章 自由討議の拡大(第10条)

第7章 議会改革の推進(第11条)

第8章 議会、議会事務局の体制整備(第12条~第15条)

第9章 議員の身分、待遇(第16条・第17条)

第10章 基本規範性及び見直し手続(第18条~第20条)

附則

錦町議会(以下「議会」という)は、町民の信託を厳粛に受け止め、二元代表制の一方の担い手として、錦町長(以下「町長」という)などの執行機関とは独立した対等な関係を堅持し、監視機能と立法機能を駆使して健全な町行政運営の実現を目指している。

近年、特に地方分権の推進により地方公共団体の自己決定、自己責任の範囲が拡大しており、議会の役割はますます重要となってきていることから、効率的でわかりやすい議会運営を行い、積極的な政策立案を行っていかなければならない。

議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)が定める概括的な規定の遵守とともに、この条例に定める議会としての独自の議会運営のルールを遵守し、実践することにより、町民に信頼され、存在感のある議会を築いていくことを決意し、この条例を制定する。

第1章 目的

(目的)

第1条 この条例は、分権と自治の時代にふさわしい議会の在り方及び議員活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることによって、町政の情報公開と町民参加を基本にした錦町の持続的で豊かな町づくりに寄与することを目的とする。

第2章 議会活動

(議会の活動原則)

第2条 議会は、町民主権を基礎とする町民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性、信頼性を重んじた町民に開かれた議会及び町民参加を不断に推進する議会を目指して活動する。

2 議会は、議員、町長、町民等の交流と自由な討論の場であるとの認識に立って、その実現のために、この条例に規定するもののほか、この条例をふまえて別に定める錦町議会会議規則(昭和52年錦町議会規則第1号)の内容を継続的に見直すものとする。

3 議長は、別に定める錦町議会傍聴規則(昭和30年錦町議会規則第2号)に定める町民の傍聴に関し、町民の傍聴の意欲を高める議会運営に努める。

第3章 議員の使命、政治倫理

(議員の使命)

第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじなければならない。

2 議員は、町政の課題全般について、課題別及び地域別等の町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研鑽によって、町民の選良にふさわしい活動をするものとする。

3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

(議員の政治倫理)

第4条 議員は、「錦町議会議員政治倫理条例(平成9年錦町条例第19号)」を遵守し、町民全体の代表者として、その倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

第4章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)

第5条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会を原則公開するなど、町民が議会の活動に参加できるような措置を講じるものとする。

3 議会は、常任委員会、特別委員会等の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるものとする。

4 議会は、請願及び陳情を町民等による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、これら提出者の意見を聴く機会を設けることができる。

5 議会は、町民、各種団体等との意見交換の場を多様に設けて、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。

6 議会は、重要な議案に対する各議員の賛否を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。

第5章 町長と議会の関係

(町長等と議会及び議員の関係)

第6条 議会の本会議における議員と町長及び執行機関の職員(以下「職員」という)の質疑応答は、広く町政上の論点、争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。

2 二元代表制の見地から、町の政策決定過程の一部である各種付属機関委員等について、法定のものを除き議員は原則就任しないものとする。

(政策等の形成過程の説明)

第7条 議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という)を提案する者は、政策等を高めるため、次に掲げる政策等の形成過程を説明するよう努めなければならない。

(1) 政策等の発生源

(2) 検討した他の政策等の内容

(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討

(4) 総合計画における根拠又は位置づけ

(5) 関係ある法令及び条例等

(6) 政策等の実施にかかわる財源措置

(7) 将来にわたる政策等のコスト計算

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、それらの政策等を高める観点から、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算、決算における説明)

第8条 議会は、提出された予算及び決算を審議するに当たっては、前条の規定に準じて、説明資料を求めることができる。

(総合計画等の協議)

第9条 法第96条第2項の議会の議決事項については、別に条例で定める。

第6章 自由討議の拡大

(自由討議の拡大)

第10条 議会は、議員による討論の場であることを十分に認識し、議長は、町長等に対する本会議等への出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等において、議員提出議案、町長提出議案及び町民提案等に関して審議し結論を出す場合、議員相互間の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

3 議員は、前2項による議員相互間の自由討議を拡大するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めるものとする。

第7章 議会改革の推進

(議会改革の推進)

第11条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議会改革の推進に努めるものとする。

第8章 議会、議会事務局の体制整備

(議員懇談会の開催)

第12条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応し、法律により活動が制限されている常任委員会、特別委員会及び全員協議会の制約を超えて、町政の諸課題に柔軟に対処するため、町政全般にわたって、議員及び町長等が自由に情報及び意見を交換する場として、必要に応じて議員懇談会を開催するものとする。

(議会事務局の体制整備)

第13条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案機能を高めるため、議会事務局の調査・法務機能を積極的に強化しなければならない。

(議員研修の充実強化)

第14条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図り、この条例の理念を議員に浸透させるよう努めるものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、町民各層等との議員研修会を積極的に開催するものとする。

(議会広報の充実)

第15条 議会は、町政に係る重要な情報を、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、議会だより、本会議のあいねっと放送やホームページでの情報公開など多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

第9章 議員の身分、待遇

(議員定数)

第16条 議員定数は、別に条例で定める。

2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、町民の意見を聴取するため参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。

3 議員定数の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して提案することができる。

(議員報酬)

第17条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員報酬の改正に当たっては、町の常勤特別職及び一般職の職員に支給される給与の状況、他の市町村の動向、町の財政状況を総合的に考慮するとともに、議会及び議員活動に関して町民の意見を聞くとともに、錦町特別職報酬等審議会の意見を尊重するものとする。

第10章 基本規範性及び見直し手続

(基本規範性)

第18条 この条例は、議会運営における基本規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。

(議会及び議員の責務)

第19条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。

(見直し手続)

第20条 議会は、この条例の施行後、町民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の見直しを行う。

2 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。

この条例は、公布の日から施行する。

錦町議会基本条例

平成28年6月13日 条例第18号

(平成28年6月13日施行)