○錦町太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理等に関する条例

令和6年3月5日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、錦町の優れた景観の形成及び環境の保全並びに太陽光発電設備設置事業との調和を図るために必要な事項を定めることにより、町民の安全と安心及び地域社会の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「法」という。)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備であって、同条第3項第1号に規定する太陽光を再生可能エネルギー源とするものをいう。ただし、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根、壁面又は屋上に設置するものを除く。

(2) 太陽光発電設備設置事業 太陽光発電設備を設置(太陽光発電設備の設置に伴う立木の伐採及び切土、盛土、埋土等の造成工事を含む。)し、又は維持管理する事業をいう。

(3) 事業者 町の区域において、太陽光発電設備設置事業(以下「設置事業」という。)を計画し、当該太陽光発電設備を設置又は用いる事業を行う者をいう。

(4) 事業区域 設置事業の用に供する土地の区域をいう。

(5) 土地所有者 事業区域の土地の所有者、占有者及び管理者をいう。

(6) 地域住民 事業区域に隣接する土地又は建築物の所有者、事業区域が活動範囲に含まれる地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体及びこれに類する団体、設置事業により、これらの者と同程度の生活環境上の影響を受けると認められる者並びに設置事業の実施に伴い影響を受けることが懸念される農林水産業の事業を営む者で組織する団体をいう。

(町の責務)

第3条 町は、第1条に定める目的を達成するために、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講じなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、この条例及び関係法令を遵守し、町の自然環境、生活環境等に十分配慮し、事故、災害及び公害の防止に努めるとともに、町や地域住民と良好な関係の保持に努めなければならない。

2 事業者は、地域住民に対して設置事業に係る計画の内容及び維持管理等の方法について十分説明し、地域住民の理解を得られるよう努めなければならない。

3 事業者は、太陽光発電設備に係る事故等が発生したとき又は地域住民からの苦情若しくは紛争が生じたときは、直ちに必要な措置を講ずるとともに、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

4 事業者は、設置事業及び発電事業の終了後の措置について、関係法令に従い太陽光発電設備の撤去及び処分を適正に行わなければならない。

(土地所有者の責務)

第5条 土地所有者は、災害の発生を助長し、又は、自然環境、生活環境等を損なうおそれのある事業者に対して、当該土地を使用させることのないよう努めなければならない。

2 土地所有者は、第1条の目的を達成するため、当該土地を適正に管理しなければならない。

(町民の責務)

第6条 町民は、第1条に規定する目的を達成するため、この条例に規定する手続きの実施に協力するよう努めなければならない。

(適用範囲)

第7条 この条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する太陽光発電設備について適用する。

(1) 発電出力 50キロワット以上(実質的に同一の事業者が複数の場所に設置する場合及び実質的に一体と認められる場所で複数の発電設備に分割して設置する場合又は既に設置事業を実施している事業区域において、発電設備の変更等により総発電出力が50キロワット以上となる場合を含む。)の太陽光発電設備

(2) 事業区域の面積が、1,000平方メートル以上(既に施工されている設置事業の事業区域に隣接し、又は近接する区域で当該事業と一体的に設置事業を行う場合においては、これらの事業区域の合算した面積が1,000平方メートル以上となる場合を含む。)

(事前協議)

第8条 事業者は、第11条第1項の規定による届出をしようとするときは、法第9条第1項の再生可能エネルギー発電事業計画の認定の申請前に、規則で定めるところにより、設置事業に係る計画(以下「事業計画」という。)について町長と協議しなければならない。

2 町長は、前項の規定による協議があったときは、事業者に対し、必要に応じて指導又は助言を示した指導書を交付するものとする。

(地域住民への周知及び説明会の開催)

第9条 事業者は、第11条第1項の規定による届出をしようとするときは、地域住民に対して事業計画を周知するとともに、地域住民から設置事業に係る説明会の開催の要望があったときは、これに応じなければならない。

2 事業者は、地域住民に対する説明会を開催しようとするときは、その旨を町長に報告しなければならない。

3 事業者は、事業計画の内容について地域住民の理解が得られるよう努めなければならない。

4 事業者は、説明会を開催したときは、その結果を町長に報告しなければならない。

(協定の締結)

第10条 地域住民は、事業者に対し、事業計画について意見を述べることができるとともに、災害の防止及び良好な自然環境、生活環境等の保全に関する必要な事項について、事業者に協定の締結を求めることができる。

2 事業者は、前項の規定に基づく地域住民からの意見に対し誠意をもって対応するとともに、協定の締結を求められたときは、協定を締結するよう努めなければならない。

3 町長は、前項の協定の締結において、その内容について事業者及び地域住民に対し必要な助言を行うことができる。

(届出)

第11条 事業者は、設置事業を実施しようとするときは、規則で定めるところにより、当該事業に着手しようとする日の30日前までに、太陽光発電設備の設置及び適正な維持管理等に関する事業計画届出書(以下「事業計画届出書」という。)を町長に届けなければならない。

2 事業者は、前項の規定により届け出た事項に変更が生じたとき又は届け出た事項を中止するときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。この場合において、事業者は変更する内容又は中止する内容を地域住民に周知しなければならない。

(工事に係る着工等の届出)

第12条 事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに町長に届け出なければならない。

(1) 設置事業を実施するための工事(以下「工事」という。)に着工するとき。

(2) 工事を中断するとき。

(3) 中断していた工事を再開するとき。

(4) 工事が完了したとき。

(完了検査)

第13条 町長は、前条第4号の届出を受理したときは、当該工事が事業計画届出書の内容に適合しているか検査するものとする。

(異常発生時の対応)

第14条 事業者は、自然災害、人為的災害等により事業区域及びその周辺に被害を生ずるおそれがあると認められるときは、速やかに現地を確認し、早急に必要な措置を講ずるとともに、当該事態について、被害が生ずる前に地域住民その他影響が及ぶ可能性がある者に周知し、かつ町長に通報しなければならない。

2 町長は、事業者から前項の通報を受けた場合又は同項の被害と同様の被害が生ずると想定される場合においては、当該事業者に対し、当該事態が生ずることを防止するために必要な措置を講ずることを求めなければならない。

3 町長は、前項の場合において、同項の事態が事業者以外の者の行為によるものであるときは、当該者に対し、同項の措置を講ずることを求めなければならない。

(設置事業の終了等)

第15条 事業者は、設置事業を終了しようとするときは、終了しようとする日の3月前までに、その旨を町長に届け出なければならない。

2 事業者は、設置事業を終了したときは、関係法令に基づき太陽光発電設備を事業区域に放置することなく速やかに撤去するとともに、自らの責任において適正に処分しなければならない。

3 事業者は、太陽光発電設備の撤去が完了したとき及び処分を完了したときは、それぞれ完了後30日以内に町長に届け出なければならない。

(地位の承継)

第16条 設置事業の譲渡又は相続、合併若しくは分割等により、事業者以外の者が設置事業の実施主体となる場合は、この条例の規定による地位を承継するものとする。

この場合において、当該事業の譲渡人は譲受人に対し、本条例の存在及び内容を告知しなければならない。

2 前項の規定により事業者の地位を承継した者は、承継した日から起算して10日以内に、その旨を町長に届け出るとともに、土地所有者に通知しなければならない。

(事業者が所在不明となった場合等における特例)

第17条 土地所有者は、事業者が所在不明になった場合においては、当該土地所有者が事業者と異なるものである場合に限り、事業者に代わり必要な措置を講じなければならない。

(立入調査等)

第18条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対して報告若しくは資料の提出を求め、又は職員を事業区域に立ち入らせ、必要な調査をさせ、若しくは関係者に質問させること(以下「立入調査等」という。)ができる。

2 前項の規定による立入調査等を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(指導、助言又は勧告)

第19条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。

2 町長は、次の各号のいずれかに該当するときは、事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 第11条各項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

(2) 第12条に規定する工事に係る着手等の届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

(3) 第14条第1項の必要な対策を講じなかったとき。

(4) 第15条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は同条第2項の規定による太陽光発電設備の撤去若しくは適正な処分を行わなかったとき。

(5) 事業者が前条第1項の規定による立入調査等を拒み、妨げ若しくは忌避し、又は、質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(6) 事業者が、災害の防止及び良好な自然環境、生活環境等の保全に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるとき。

3 事業者は、前2項の規定による指導、助言又は勧告を受けたときは、その処理の状況を速やかに町長に報告しなければならない。

(公表)

第20条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を国へ情報提供するとともに公表することができる。

2 町長は、前項の規定により公表を行おうとするときは、あらかじめ事業者に対しその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

(適用区分)

2 この条例の規定は、この条例の施行の日以後に、法第9条第1項の再生可能エネルギー発電事業計画の認定の申請をしようとする事業者について適用する。

(経過措置)

3 前項の規定にかかわらず、この条例の施行に際し現に法第9条第1項の経済産業大臣の認定を受けている事業者(太陽光発電設備の発電出力が1,000キロワット以上のものに限る。)については、第4条第10条第11条第2項第12条第14条から第16条まで及び第18条から第20条の規定を適用する。

(準備行為)

4 第11条第1項の規定による届出及びこれらに関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行前においても、同項の規定の例により行うことができる。

錦町太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理等に関する条例

令和6年3月5日 条例第2号

(令和6年4月1日施行)