○錦町職員の懲戒処分等の基準に関する規程
令和3年11月22日
訓令第13号
(目的)
第1条 この規程は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第29条及び錦町職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和30年錦町条例第23号)に定めるもののほか、錦町職員(特別職を除く。以下規程において同じ。)が違法行為や全体の奉仕者としてふさわしくない非行等(以下「非違行為」という。)を行った場合の懲戒処分(法第29条に規定する懲戒処分をいう。以下同じ。)の標準的な基準を定めることを目的とする。
(基本事項)
第2条 この規程は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の量定を掲げたものであり、具体的な処分量定の決定にあたっては、次に掲げるもののほか、適宜日頃の勤務態度や非違行為後の対応なども含め、総合的に考慮の上判断するものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び効果は、どのようなものであったか。
(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか。
(3) 非違行為を行った職員の職責はどうであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか。
(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか。
(5) 過去に非違行為を行っていないか。
(6) その他、適宜日頃の勤務態度や非違行為後の対応等を考慮する。
(懲戒処分等の量定基準)
第3条 懲戒処分の量定基準は別表のとおりとする。
2 量定基準に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分等の対象となり得るものであり、これらについては量定基準に掲げる取り扱いを参考としつつ判断する。
(処分の加重)
第4条 懲戒処分を行う場合において、非違行為が次の各号のいずれかに該当するときは、当該非違行為の個別の内容に応じ、量定基準より重い懲戒処分を行うことができる。
(1) 非違行為の動機若しくは態様が、極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき。
(2) 非違行為を行った職員が、管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき。
(3) 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
(4) 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき。
(5) 処分の対象となり得る複数の非違行為を行っていたとき。
(処分の軽減)
第5条 懲戒処分を行う場合において、非違行為が次の各号のいずれかに該当するときは、当該非違行為の個別の内容に応じ、量定基準より軽い懲戒処分を行うことができる。
(1) 職員が、自ら非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき。
(2) 非違行為を行うに至った経緯その他情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき。
(職員分限懲戒審議会)
第6条 任命権者は、懲戒処分等に相当すると思われる非違行為が発生したときは、錦町職員分限懲戒審査委員会規程(令和3年錦町訓令第11号)に基づく審査会の審議を経て、町長と協議のうえ懲戒処分等を行うものとする。
(1) 訓告 懲戒処分には該当しないが、反省すべき点が多いと判断したとき、訓告書を交付して戒めるもの
(2) 文書注意 訓告には該当しないが、反省すべき点がかなりあると判断したとき、注意書を交付して戒めるもの
(3) 口頭注意 文書注意には該当しないが、反省すべき点があると判断したとき、口頭で注意を行うもの
(懲戒処分等の公表)
第8条 懲戒処分等を行った場合の公表の基準は、錦町職員の懲戒処分等の公表基準(別記様式)のとおりとする。
(委任)
第9条 この規程に定めるもののほか、この規程の施行に関して必要な事項は、別に定める。
附則
この規程は、令和3年11月22日から施行する。
なお、平成19年7月13日作成の「錦町職員懲戒処分の指針」は、令和3年11月22日をもって廃止する。
別表(第3条関係)
錦町職員の懲戒処分等に関する基準
1 一般服務関係
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
欠勤 | 正当な理由がなく10日以内の間欠勤した場合 | ○ | ○ | ||
正当な理由がなく11日以上20日以内の間欠勤した場合 | ○ | ○ | |||
正当な理由がなく21日以上の間欠勤した場合 | ○ | ○ | |||
遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | ○ | |||
休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合 | ○ | ○ | ||
勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | ||
職場内秩序を乱す行為 | 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | ||
他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | |||
虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合 | ○ | ○ | ||
違法な職員団体活動 | 法第37条第1項前段の規定に違反してストライキ等の争議行為をなし、又は町の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした場合 | ○ | ○ | ||
法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合 | ○ | ○ | |||
秘密漏えい | 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | ||
政治目的を有する文書の配布 | 政治的目的を有する文書を配布した場合 | ○ | |||
違法な政治的行為 | 法第36条第1項の規定に違反して政党の結成に関与した場合 | ○ | ○ | ||
法第36条第2項の規定に違反して特定の政治的目的をもって勧誘活動、文書の配布、掲示等の政治的行為を行った場合 | ○ | ○ | ○ | ||
法第36条第2項の規定に違反して同条第1項及び第2項に規定する政治的行為を行うことを他の職員に求め、そそのかし、若しくはあおるなどし、又は政治的行為の有無に対して職員の地位に関する利益若しくは不利益を他の職員に与える等した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
公職選挙法第136条の規定に違反して政治運動に関与し、又は公職選挙法第136条の2及び政治資金規正法第22条の9の規定に違反して政治運動若しくは政治活動に関する寄付等に公務員の地位を利用して関与した場合 | ○ | ○ | |||
パワーハラスメント | パワーハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号イに定めるパワーハラスメントをいう。)を行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合 | ○ | ○ | ○ | |
パワーハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号イに定めるパワーハラスメントをいう。)を行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワーハラスメントを繰り返した場合 | ○ | ○ | |||
パワーハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号イに定めるパワーハラスメントをいう。)を行ったことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
セクシュアルハラスメント | 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的な関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | ||
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | ○ | ○ | |||
わいせつな言辞等の性的な言動を執ように繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合 | ○ | ○ | |||
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | ○ | ○ | |||
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント | 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号エに定める妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントをいう。)を行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合 | ○ | ○ | ||
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号エに定める妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントをいう。)を行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを繰り返した場合 | ○ | ○ | |||
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(錦町職員におけるハラスメントの防止に関する規程(令和3年11月22日錦町訓令第12号)第2条第1号エに定める妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントをいう。)を行ったことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合 | ○ | ○ | |||
不適な業務執行 | 事務処理に適正さを欠き、若しくは職務命令に従わず、公務の運営に支障を与え、又は町民等に重大な損害を与えた場合 | ○ | ○ | ○ | |
賄賂 | 賄賂を収受した場合 | ○ |
備考:処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。
2 公金公物関係
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
横領 | 公金又は公物を横領した場合 | ○ | ○ | ||
窃取 | 公金又は公物を窃取した場合 | ○ | ○ | ||
詐取 | 人を欺いて公金又は公物を交付させた場合 | ○ | ○ | ||
紛失 | 公金又は公物を紛失した場合 | ○ | |||
盗難 | 重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った場合 | ○ | |||
公物損壊 | 故意に現場において公物を損壊した場合 | ○ | ○ | ||
失火 | 過失により職場において出火、爆発を引き起こした場合 | ○ | |||
諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合 | ○ | ○ | ||
公金公有物処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等公金又は公有物の不適正な処理をした場合 | ○ | ○ | ||
コンピュータの不適正使用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ |
3 公務外非行関係
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
放火 | 放火をした場合 | ○ | |||
殺人 | 人を殺した場合 | ○ | |||
傷害 | 人の身体を傷害した場合 | ○ | ○ | ||
暴行・けんか | 暴行を加え、又はけんかをした場合において、人を傷害するに至らなかった場合 | ○ | ○ | ||
器物破損 | 故意に他人の物を損壊した場合 | ○ | ○ | ||
横領 | 自己の占有する他人の物(公金及び官物を除く。)を横領した場合 | ○ | ○ | ||
窃盗 | 他人の財産を窃取した場合 | ○ | ○ | ||
強盗 | 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合 | ○ | |||
詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させて場合 | ○ | ○ | ||
賭博・ノミ行為 | 賭博・ノミ行為をした場合 | ○ | ○ | ||
常習として賭博をした場合 | ○ | ||||
麻薬・覚せい剤等の所持又は使用 | 麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した場合 | ○ | |||
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | ○ | ○ | ||
淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合 | ○ | ○ | ||
痴漢行為 | 公共の乗物等において痴漢行為をした場合 | ○ | ○ | ||
ストーカー行為 | つきまとい等のストーカー行為をした場合 | ○ | ○ | ○ |
4 交通事故・交通法規違反
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
飲酒運転での交通事故(人身事故を伴うもの) | 酒酔い運転で、人を死亡させ又は重篤な障害を負わせた場合 | ○ | |||
酒酔い運転で、人に障害を負わせた場合 | ○ | ○ | |||
上記において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ||||
酒気帯び運転での交通事故(人身事故を伴うもの) | 酒気帯び運転で、人を死亡させ又は重篤な障害を負わせた場合 | ○ | ○ | ||
上記において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ||||
酒気帯び運転で、人に障害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
上記において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | |||
飲酒運転以外の交通事故(人身事故を伴うもの) | 飲酒運転以外での交通事故で、人を死亡させ、又は重篤な障害を負わせて場合 | ○ | ○ | ○ | |
上記において、事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | |||
飲酒運転以外の交通事故で、人に障害を負わせた場合 | ○ | ○ | |||
酒酔い運転をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
酒酔い運転等 | 上記において、物の損壊に係る交通事故を起こして、その後危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||
酒気帯び運転、又は著しい速度超過等の悪質な交通違反をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
交通法規違反 | 上記において、物の損壊に係る交通事故を起こして、その後危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ |
5 ネットワーク利用
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
不正アクセス | 他人のパスワードを使用し、又はコンピュータ・システムにおける安全上の不備を利用して不正にネットワークにアクセスし、システム又は情報資産等の破壊、改ざん若しくは消去を行い、又は情報を漏えいさせた場合 | ○ | ○ | ||
他人のパスワードを使用し、又はコンピュータ・システムにおける安全上の不備を利用して不正にネットワークにアクセスした場合 | ○ | ○ | |||
ネットワーク管理者又はパスワードを付与されている利用権者に無断で当該利用権者のパスワードを第3者に提供した場合 | ○ | ○ | |||
不正ネットワーク等のほう助 | 勤務時間中に私用メールを送り、又は職務に関連のないWEBを閲覧するなど、インターネット情報基盤を職務目的外に利用した場合 | ○ | ○ | ||
不正利用 | 故意にウィルス、不正プログラム等を利用してシステム又は情報資産等を損壊させた場合 | ○ | ○ |
6 監督責任関係
非違行為の種類 | 非違行為の具体的内容 | 処分の量定 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
指揮監督不適正 | 部下の職員が懲戒処分を受けるなどした場合で、管理監督者として指揮監督に適正を欠いていた職員 | ○ | ○ | ||
非行の隠ぺい、黙認 | 部下の職員の非行行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員 | ○ | ○ |