○錦町文化財保護条例
昭和40年7月10日
条例第16号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財及び熊本県文化財保護条例(昭和30年熊本県条例第20号。以下「県条例」という。)により指定を受けた文化財以外の文化財で町の区域内に存するもののうち町にとって重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、わが国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(財産権等の尊重及び公益との調整)
第2条 錦町教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 町指定有形文化財
(指定)
第3条 委員会は、町の区域内に存する有形文化財のうち町にとって重要なものを錦町指定有形文化財(以下「町指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、錦町文化財保護委員会の意見を聞くものとする。
4 第1項の規定による指定は、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。
5 委員会は、前項の規定により指定したときは、その旨を告示しなければならない。
7 委員会は、第1項の規定により指定したときは、当該町指定有形文化財の所有者に別に定める様式による指定書を交付しなければならない。
(解除)
第4条 委員会は、町指定有形文化財が町指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その指定を解除することができる。
3 委員会は、町指定の文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定があったとき、又は県条例の規定による県指定の有形文化財の指定があったときは、当該町指定有形文化財の指定を解除する。
4 委員会は、前項の規定により指定を解除した場合には、当該町指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
5 委員会は、前項の規定により指定を解除したときは、その旨告示しなければならない。
6 所有者は、町指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたときは、20日以内に町指定有形文化財の指定書を委員会に返付しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第5条 町指定有形文化財の所有者は、この条例及びこれに基づいて発する錦町教育委員会規則(以下「委員会規則」という。)に従い、町指定有形文化財を管理しなければならない。
2 町指定有形文化財の所有者は、特殊の事情があるときは、もっぱら自己に代り当該町指定文化財の管理の責に任ずべき(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 所有者は、前項の規定により管理責任者を選定したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(所有者の変更等)
第6条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 町指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第7条 所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、町指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し若しくは盗み取られたときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第8条 所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、町指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときはあらかじめその旨を委員会に届け出なければならない。ただし、委員会規則に特別の定めがある場合は、この限りでない。
(管理に関する勧告)
第9条 委員会は、町指定有形文化財の管理が適当でないため当該町指定有形文化財が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 委員会は、町指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
(現状変更の制限)
第10条 町指定有形文化財の現状を変更しようとするときは、委員会の許可を受けなければならない。ただし、委員会規則の定める範囲の維持の措置をする場合は、この限りでない。
(修理の届出等)
第11条 町指定有形文化財を修理しようとするときは、その旨を委員会に届け出なければならない。
2 委員会は、町指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
(公開)
第12条 委員会は、町指定有形文化財の所有者に対し、6月以内の期間を限って、委員会の行う公開の用に供するため当該町指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 委員会は、町指定有形文化財の所有者に対し、3月以内の期間を限って当該町指定の有形文化財の公開を勧告することができる。
3 委員会は、第1項の規定により町指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該町指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
4 委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る町指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(報告)
第14条 委員会は、必要があると認めるときは、町指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し当該町指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の現状につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第15条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該町指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 旧所有者は、前項の場合には、当該町指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第3章 町指定無形文化財
(指定)
第16条 委員会は、町の区域内に存する無形文化財のうち町にとって重要なものを錦町指定無形文化財(以下「町指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該町指定無形文化財の保持者を認定しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、当該町指定無形文化財の保持者として認定しようとする者に通知してする。
5 委員会は、前項の規定により指定したときは、その旨を告示しなければならない。
6 委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該町指定無形文化財の保持者として認定するに足りる者があると認めるときは、その者を保持者として追加認定することができる。
(解除)
第17条 委員会は、町指定無形文化財が町指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、その認定を解除することができる。
4 委員会は、前項の規定により指定を解除したときは、その旨を告示しなければならない。
6 委員会は、町指定無形文化財について法第56条の3第1項の規定による重要無形文化財の指定があったとき、又は県条例第16条第1項の指定による県指定無形文化財の指定があったときは、当該町指定無形文化財の指定を解除する。
7 委員会は、前項の場合には、その旨を告示するとともに、当該町指定無形文化財の保持者として認定されていた者に通知しなければならない。
8 委員会は、保持者が死亡したときは保持者の認定を解除し、保持者のすべてが死亡したときは町指定無形文化財の指定を解除する。この場合において、委員会は、その旨を告示しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第18条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(保存)
第19条 委員会は、町指定無形文化財の保存の為必要があると認めるときは町指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行うものとする。
(公開)
第20条 委員会は、町指定無形文化財保持者に対し町指定無形文化財の公開を町指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第21条 委員会は、町指定無形文化財の保持者その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 町指定民俗文化財
(町指定民俗文化財の指定)
第22条 委員会は、町の区域内に存する有形民俗文化財のうち町にとって重要なものを錦町指定民俗文化財(以下「町指定民俗文化財」という。)に指定することができる。
(町指定民俗文化財の指定の解除)
第23条 委員会は、町指定民俗文化財が町指定民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、町指定民俗文化財について法第56条の10第1項の規定による重要民俗文化財の指定があったとき、又は県条例第22条第1項の規定による県指定民俗文化財の指定があったときは、当該町指定民俗文化財の指定を解除する。
(町指定民俗文化財の現状変更)
第24条 町指定民俗文化財の現状を変更しようとする者は、委員会に届け出なければならない。
2 委員会は、町指定民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状の変更に関し必要な指示をすることができる。
(無形の民俗文化財の記録の作成等)
第26条 委員会は、町の区域内に存する無形の民俗文化財(法第56条の18で準用する法第56条の9の規定により文化財保護委員が選択したもの、及び県条例第26条の規定により選択されたものを除く。)のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開するものとする。
2 委員会は、前項の選択をしようとするときは、錦町文化財保護委員会の意見を聞くものとする。
第5章 町指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第27条 委員会は、町の区域内に存する記念物のうち町にとって重要なものを錦町指定史跡、錦町指定名勝、錦町指定天然記念物(以下「町指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第28条 委員会は、町指定史跡名勝天然記念物が町指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、町指定史跡名勝天然記念物について、法第69条第1項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定があったとき、又は県条例第27条第1項の規定による熊本県指定史跡名勝天然記念物の指定があったときは、当該町指定史跡名勝天然記念物の指定を解除する。
(標識等の設置)
第29条 町指定史跡名勝天然記念物の所有者は、委員会規則の定める基準により、町指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。
(現状変更等の制限)
第31条 町指定史跡名勝天然記念物に関し、その現状を変更し又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については委員会規則の定める範囲の維持の措置をする場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
第6章 罰則
(罰則)
第33条 町指定有形文化財を損壊し、き損し、又は隠匿した者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。
第34条 町指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し又は衰亡するに至らせた者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。
第7章 維持管理費
(経費の補助)
第36条 町指定の文化財の維持管理のため要する経費の一部を補助することができる。
第8章 雑則
(委任)
第37条 この条例の施行に関し必要な事項は、委員会規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(昭和49年条例第26号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成15年条例第5号)
この条例は、公布の日から施行する。